facebook
一般社団法人 香川県建築士会
〒760-0018
香川県高松市天神前6-34 2F
Tel:087-833-5377
Fax:087-833-5394

建築士法第22条の2に基づく建築士定期講習

信頼できる建築士を探せるサイト 専攻建築士検索システム

CPD情報システム

監理技術者講習

既存住宅状況調査技術者情報

東讃支部

【東讃支部】「第11回街角遺産展-塩江町編-」活動報告

去る2020年11月21日・22日・23日の三日間「第11回街角遺産展-塩江町編-」が塩江温泉行基の湯休憩所“やすんば”にて開催された。と、今までなら活動の報告を淡々と進めて行くところだが今回は少し趣を変えさせて頂きたい。今回の展覧会の後に残されたのは些か苦い味わいであった。会場の“やすんば”はその名の通り地域の住民のみならずここを訪れた人たちの休み場(やすんば)になっていた。展覧会二日目の夕方頃、中学一年生くらいの子供たち男女5、6人程が会場に入ってきた。彼らは入口に展示してある街角遺産展に一瞥をくれたあと建物の中で談笑を始めたのだった。それはその後ヒートアップし最後は前転やらブリッジやら後転やらの大騒ぎ。見知らぬおっさん達など目にも入らぬ奔放ぶりであった。最初はうるさいガキンチョ共だなと眺めていたが段々とこれはちょっとすごい事なんじゃないかなと思い始めた。また別の時には地元の一人のおじさんがふらりと入ってきて畳の間で横になって昼寝を始めた。また別の時、三人連れのおばちゃんが入ってきてテレビをつけ(街角遺産展BGMを流しているにも関わらず!)GⅠレースを見始めたり、また別の人はワンカップの酒を飲みだして転寝を始めたり。地元の人はもう自分ちの居間じゃないかというくらいリラックスしてこの場所を活用していたのである。見知らぬ人たちが展覧会をしていたとしても。三日間ずっとこの場所に居て分かったことはここが地域住民のコミュニティの場として機能しているということ。当初は温泉に入った人の休憩所として作られていたと思われるが、今は温泉客じゃなくても自由に入ってきていること。ひなびた温泉の空気感を楽しみにここに通っている一人客がいること。そして僕らはその軒先を借りて何やらコムズカシイ展覧会をしているだけだったのだ。築十数年のまだ比較的新しいこの建物は立地的なことも手伝ってか地域の新しいコミュニティの場として機能してきだしている。これはもう伊東豊雄さんの言う「みんなの家」ではないだろうか。思いがけず新たなコミュニティの萌芽を僕はここに見た。古民家風のテーマパークちっくな箱モノに命が宿りだしたのだ。この建物はもう色んな人たちの記憶の風景になってきている。晩秋の休日、ここでたむろって時間をつぶしていたガキンチョ共はきっとここのことを憶えているだろう。誤解を恐れず言えばこの界隈の核はこの建物である。道の駅も温泉も商業施設も解体して一つにまとめるならそれでも良い。それらはきっと代わりが効くし優れたデザインが入ればさらに活性化もするだろう。しかしここは違う。ここは経済的な意味で言えば全く無駄な場所だからだ。それは「間」であり、間を無くした場所はきっと間抜けになる。一度決めたことをひっくり返せないのが日本の政治のお家芸なのでここも地元住民が猛烈に反対したとしてもきっと解体される。何しろ問題含みだった国立競技場でさえもサクサクと解体される国なのだから。

報告に代えて「第11回街角遺産展-塩江町編-」の最後の一物件をここで登録したい。
 
LH-1137【塩江温泉行基の湯やすんば】危機遺産。

R302houkoku.jpg

BACK