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建築士会コラム

役員リレーコラム「アナログの復権」広報編集委員会副委員長 島川 修治

今年の夏、ソニーがLPレコードのプレス機を導入し30年ぶりにレコードを発売するとのニュースを聞いた方もおられると思います。数年前よりレコードが見直されてきて静かなブームとなりそれが広がりつつあるということは報道されてはいましたが、ここまで来たかと感慨深い物があります。

LPレコードは1950年代後半から普及し始め80年代初めにかけて全盛を迎え各種音楽の普及に大いに貢献したのではないでしょうか。それまでのSPレコードが片面5分程度の収録に対し片面30分となり、また音質においても飛躍的な進歩が見られ、一時間程度の曲で5~6枚組数千円だったものがLPでは一枚になり二千円少しで買えるといった手軽さ、それと共に普及した「電蓄」(電気蓄音機)、ステレオと総称された家庭用のオーディオ機器等により日本でも音楽が手軽に楽しめるようになりました。

又レコード会社も林立し、毎年膨大な数の新譜も発売されていました。50歳代以上の方は皆さん楽しまれていたのではないでしょうか。

少し脱線しますがLPの一分間に33.33回転という中途半端な数字どこから生まれたかご存知ですか。開発者は映画の音を目的に当時のフィルム一本分約11分を17インチのLPに丁度収めるように回転数を決めたということだそうです。

しかし82年にCDが発売されると、利便さ、コンパクトさ等であっという間に主役の座を奪われ衰退の一途をたどりました。しかしながら2000年頃までは新譜はLPも同時発売されることもあったようで私の買った最後の新譜は話題性に珍しさも手伝って宇多田ヒカルのFirst Loveでした。

というよりCDは一枚で約2000円LPは2枚組4000円、又その頃プレーヤーも家庭になくなりつつあり、田舎では売れなかったのかCDショップの片隅で2年ばかり肩身の狭い思いをしつつ挙句の果てには1000円のシールを貼られていたものを連れ帰った次第です。しかし今はネットでは美品であれば数千円で取引されているのにも驚きです。

また脱線しましたがLPは2009年が底で年間約10万枚になりプレス工場も東洋化成一社になります。といってもまだ10万枚の需要があったのにも驚かされますが。その頃から徐々にアナログの良さを広める活動があったり、一万円程度のプレーヤーが発売されたり、ももクロ、パフューム等若いアーチスト達がLPを発売する等で年々倍々と需要も広がり昨年は80万枚まで増加しましたと言っても最盛期の一割にも満たない数ですが、CDにしてもその後音楽配信とかに押され続け音質的にはもう一歩進んだハイレゾの世界が見えてきた今大健闘といえるのではないでしょうか。

我が家は親類に電気屋があったため比較的早くステレオと呼ばれるものがあり、小学校の頃から色々な音楽に親しんでいて、中学の音楽教室で聞いた、ベートーベンの田園を気に入り初めてのLP購入となりました。

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1952年の録音で今でもたまに聞きますが、驚くほどいい音で十分鑑賞に堪えらます。もちろん最新録音とは比べられませんが。以来55年の間に約300枚程が棚に収まっていて針を下せば常に音が出る状態になっています。

こちらでの購入は中古が主流ですが、5年ほど前には200円ほどのものが今は500円に、私にとっては複雑です。ジャズ、ビートルズは2000円以上です。

温かみのある優しい音を聞きたい、と共に大きいジャケットがファッショナブル、針を下すときの緊迫感とワクワク感というのが若者に受けているらしいのです。

皆様方の押し入れとか倉庫にレコードが眠っていませんか。プレーヤーは量販店でスピーカー付きの安価なのも販売しています。この秋はアナログの音で昔を思い出してはいかがでしょうか。

役員リレーコラム「『いけばな』の楽しみ」女性委員会副委員長 横田里美

いけばなを習っています。新卒で就職した会社の生け花クラブがきっかけで始め、転職などでブランクがありつつも今まで続けています。

始めた当初は、先生が用意してくださった花を会社で生け、家に持って帰り飾ることで満足していました。終業後、帰宅前や残業前に小一時間花をいけることで良い気分転換になっていたようにも思います。その後、転職したことで数年いけばなから遠ざかっていましたが、ふとした時にまた花をいけたいと思い、現在の草月流の教室で学んで8年程です。

教室では毎年異なる会場で回ごとにテーマを設定し花展を開催しています。和菓子店のギャラリースペースを会場にした秋の花展では季節の実ものを使いました。知り合いの山に花材にぴったりの豆柿や栗、紅葉があると聞き、自分で取りに行き、実ものと枝の流れが特徴的な楽しい作品が出来上がりました。

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先生に用意してもらうだけでなく、自分で花材を準備することは、大変勉強になり楽しい作業です。家の庭にある木蓮やバラの花を使ったこともあります。事前に花屋をいくつか廻り、可能であれば予約したり取置いてもらったこともありました。

「こんな花材を探している」という話をすると、教室の仲間が「どこどこで見かけた」とか「この花屋にあった」とか教えてくれることもあります。

それでも、花材は植物であるため想定していた物と同じ物を展示会本番で用意出来るとは限りません。また、同じ名前の花や枝でも色合いやかたちは同じではありません。しかし、植物にはそれぞれ違った美しさやかたちが違うおもしろさがあります。その違いをいかしていけることも、いけばなの良さだと思います。

一昨年は「Timeless~町家にいける~」というテーマで築100年の町家を再生した古民家で展示会を開催し、私に割り当てられたのは後ろに障子のある一間の床の間のようなスペースでした。

「作品そのもので完結するのではなくその空間に作品があることで両方が引き立つようにしたい」ということを考えました。また、「それまでで一番大きな作品をいける」という自分なりの挑戦でもありました。事前に土台を組んでおき、縫い合わせた布をかぶせたり、いけこみ当日も仕事の後に取り掛かったこともあり、完成が深夜になってしまうなど、四苦八苦しまししたが、作品と空間の関係を意識するおもしろさを実感しました。

マイペースながらも年数を重ねると教室や自宅という場だけではない「いけばな」の楽しみが広がってきました。今年も11月に花展を開催します。まだどんな作品にするかは決めていませんが、今からワクワクしています。

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役員リレーコラム「余暇と行動」高松支部青年部会長 清水健太郎

 7年前、当時高松支部青年部会長をされていた藤田摂さんから建築士会への入会と、高松支部青年部会活動への参加のお誘いを頂き、活動会議に参加しはじめました。以降、建築士会の活動をしていく中で、普段の仕事をしているだけではお会いすることのできない方々とお会いすることができ、とてもありがたく思っています。
 
 さて、みなさんは仕事以外の時間である余暇をどのようにお過ごしでしょうか。この記事を執筆するにあたり、これまでのリレーコラムを読み返えしてみました。余暇の過ごし方について書かれている方も多く、役員の方々のお人柄が表れていてとても興味深く思いました。本当は自分のことを書くよりも聞くほうが好きなのですが、筆を進めることにします。夏の夜、川部町という田舎に住んでいますので、窓の外では蛙が大合唱をしています。
 
 私はまだ若く、仕事に家庭にと忙しく、また性格なのか、どっぷりと浸かる趣味というものも持ち合わせていないのですが、合間に本を読んだり、音楽を聴いたり、たまにですが、料理をしたり、旅行に行ったりと、色々と取るに足らないような小さな楽しみを持ち、それを静かに楽しんでいるくらいです。少し前に自宅を構えてからは、庭と芝生の世話という非常に地味な楽しみが一つ増えました。興味があることの大半は、自分の幼い頃の体験や若い頃の経験に起因することが多く、余裕ができるごとに思い出したかのようにやってみたくなったりします。
 自宅に庭をつくった理由も、自分が幼い頃にまだまだ元気だった曽祖父が、庭や芝の手入れをしているのを、きれいだなぁと眺めていたことや、手伝いの真似事のようなことをしていて楽しかったのを覚えていたからです。私は動物を飼っていませんが、動物や植物のように生き物の世話というのは、なかなか大変ですね。庭についてはまだまだ初心者で、世話の仕方、木の性質などについても勉強中というところです。
 
 私の地味な余暇の話はこれくらいにして、続いて、私が所属し、活動させて頂いている高松支部青年部会の活動を、報告も兼ねて書かせていただければと思います。
 
 現在、高松支部青年部会は在籍者数33名、女性部会員も増え、全体の3分の1にあたる11名の女性部会員が在籍し、共に活動しています。毎月1回、第3木曜日に築地コミュニティーセンターで、主に年間事業活動について会議をしています。
 
 所属している部会員の顔ぶれは、私が入会した頃は、設計事務所の所長、工務店の社長や役員の方など、組織のトップの方々が先輩会員として多く在籍していました。今でも会員数は以前からほぼ変わらず30数人ですが、年々組織に所属する部会員が多くなってきています。顔ぶれはこのように変わってきていますが、以前と変わらず、青年部会員各々が各事業に携わることで、自己の成長や、相互の懇親を図り、日々の業務活かせるような内容になるよう会議や活動を行っているということです。20代の若い部会員も忙しい日々の業務やTTCの活動に加え、青年部会の活動会議に参加してきます。その姿を見るだけでも、私自身も活気づきます。
 
 秋から年度末にかけては、前半に話し合ってきた内容を実行していく期間になります。10月には、毎年好評頂いております技術講習会と若手建築士研鑽事業を控えています。今年度の技術講習会は広島方面を予定しています。行き先は7月に来県し、講演された三分一博志氏設計のおりづるタワーと藤森照信氏や名和晃平氏の建築がある神勝寺を見学する予定です。また、若手建築士研鑽事業におきましては、11月上旬に広島の建築家、前田圭介氏をお迎し、オリーブホールで講演会を開催する予定です。
 
 ご縁を頂いて入会した私の青年部会としての活動も、あっという間に今年度限りとなりましたが、今こうして活動をできていることに感謝しています。一緒に活動している部会員一人一人とひとつでも多く活動を共にしていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

役員リレーコラム「香川県建築士会の重点施策をご存知ですか?」業務委員会副委員長 後藤 哲夫

先日開催された、香川県建築士会の平成29年度通常総会に参加し、印象的だったのは、例年以上に参加者が多いのではないかということです。建築士会の会合に参加する意義を感じている人が増えているのではないでしょうか。

通常総会の議案とし、平成29年度事業計画書(案)がありました。ここ数年変わっていないのですが、建築士の皆様、香川県建築士会の重点施策をご存知ですか?それは、「信頼される建築士の確立」です。現在、私は独立して17年経ちましたが、「建築士」という仕事の責務の重さと難しさを感じる毎日です。いまだに自身で失敗と感じる経験もあり、建築主の方々、工事会社の方々、行政機関や審査機関の方々、そして、協力事務所の方々や事務所のスタッフたちに迷惑をかけていると反省しています。

そこで今回のリレーコラムでは、「信頼される建築士」を確立するために、香川県建築士会をどのような会にしたいか、自分の失敗談を含め書きたいと思いました。

まず初めに、私が経験した失敗談とその失敗から学んだ対応策を述べてゆきたいと思います。

最初の大きな失敗は、2007年東京都で一戸建ての住宅を設計監理していた時に起こりました。工事請負契約が済み工事が始まって1か月後、元請け会社が倒産してしまったのです。信頼できる団体から紹介された会社だったので倒産することはないと勝手に思い込んでいました。その時、大変だったことが二つあります。一つ目は工事の出来高よりも建築主が支払った金額の方が多かったこと。二つ目は次に施工をお願いする工事会社を探すことでした。現在ではその経験を活かし、支払い条件を出来高よりも払いすぎないようにする、そして、工事請負契約の時には工事完成保証人もしくは住宅完成保証制度の加入を見積条件として加え、ご理解頂けた工事会社に見積をお願いしています。当初、見積参加業者からは、「どうしてこのような見積条件になったのですか。」と聞かれることが多くあったのですが、過去の失敗談を正直に話すと、ほとんどの工事会社は理解してくれて見積に参加してくれるようになりました。消費者保護の機運が高まっている現在では、建築主の方に不要な心配をさせず、建築主・設計事務所・工事会社との間での信頼関係も築くことにもなります。

二つ目の大きな失敗は、2013年老人福祉施設の増改築を設計している時に起こりました。建築主から寸法の入った図面を渡され、「構造も規模も変えずに実施設計を行って欲しい。」と言われました。後藤事務所からは、工期短縮と工事金額を予算に近づけるためという理由で、構造(木造から鉄骨造)の変更を申し入れましたが認められませんでした。そのまま実施設計は進み、確認申請の事前審査を行う中で問題が発生しました。当時、出来たばかりの【構造改革特別区域における「特別養護老人ホーム等の2階建て準耐火建築物設置業」の全国展開について(平成24年3月30日消防予第130号予防課長通知)】の中の「避難計画確認書」をクリア出来なかったのです。設計者として、法令等の確認が足りなかったことは充分に反省しました。この失敗をもとに、他の人が描いた案で自分が責任を取れないと思った設計業務は受けないようにしようと思いました。

過去に先輩方がまとめられた、失敗から学ぶこと、の冊子を香川県建築士会の事務局で見たことがあります(注)。「信頼される建築士の確立」のためには、過去の様々な失敗を建築士が共有し、同じような失敗をしないことが、「信頼される建築士」としての第一歩となり、一人一人が誠実な仕事をすることで、「建築士」という職業の信頼につながっていくと思います。

建築士の仕事は、小売業と違い、「無」から「有」を作り出す、手探りの作業の連続です。より良いものを創造し、工事に関わる全ての人と喜びを共有したいと思って日々努力はしていますが、思わぬ過信による失敗もあります。もし、失敗した場合は、状況をよく整理し、謝るべきところは謝り、熱意をもって対処すれば、相手も理解してくれるのではないか、と思っています。

香川県建築士会が、後人の糧として、こういった失敗の事例や解決方法等をデータベースとして蓄積し、会員同志が共有できれば、「信頼される建築士」の確立に近づけるのではないかと思い、今回のリレーコラムを書かせていただきました。

(注)「若き建築家へのメッセージ ―失敗事例を教訓に― 」
    事業委員会編、平成16年5月20日発行
   * 読んでみたい方は事務局までご連絡下さい。8月22日~先着3名様にお分けします。


 

役員リレーコラム「3年毎 気づきの体験 瀬戸内国際芸術祭」 広報編集員会 副委員長 高岸雄三

「漂流郵便局」窓口カウンターの上に並べられている箱に入っているのは アーチストの久保田沙耶さん(「漂流郵便局」の作者)が島の浜辺で見つけた貝、ガラスなどの漂流物。一つ一つ箱の中、じっくりよく見ると、形・色など宝飾店店頭では買えないような美しくて素晴らしいものばかりです。
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さっと通り過ぎてしまう砂浜。一見何もないような浜でも、島の浜辺にはこうした「宝物」が数多くうちあげられているのです。久保田さんはアーチストの鋭い感性で、こつこつ丹念に探しだし、拾い上げ、島で使われなくなった旧粟島郵便局の建物を作品「漂流郵便局」として宝物を展示し、宛名不明の漂流郵便物を留め置いて、見事に活用。『漂流郵便局』の書籍も出版されています(注)。瀬戸内の島々で平凡で一見何もないと思っていた砂浜などの光景。つぶさに見ればいかに多くの宝物が瀬戸内に眠っていることでしょうか。 

実はもとより地元で見慣れている瀬戸内の島々の風景、昔から自分なりに島に土地勘ありでした。 ところが瀬戸内国際芸術祭でアーチストのみなさんが、鋭い感性や深い洞察力、豊かな発想で見つめ直してくれた「瀬戸内」は、私には全く気がつかなかったものばかりで、知っているつもりとは、ただ「さーっと」通りすがっただけ、いかに浅薄な見方をしていたのかよくわかりました。

地元にいて「瀬戸内」を知ったつもりになってしまい、感心が薄れていまい、「灯台、もと暗し」というより、「こころあらざれば、見れども見えず」の状態で、多くの瀬戸内の宝物をみすみす見逃してきたのでした。どんなに頻繁に、足繁く島々に通っても、はじめから瀬戸内の「宝物」に関心が薄いのでは「瀬戸内」の自然の素晴らしさを感じとることができないのでした。

 2010年から3年ごと開催され、島々をめぐりアート作品を鑑賞する瀬戸内国際芸術祭。アートの祭典とか、地域活性化のイベントとか、いろいろな捉え方がありますが、私にとって「瀬戸芸」とは「瀬戸内の素晴らしさを3年毎にまたあらためて再認識する」気づきの体験です。

示唆に富んだ素晴らしい作品を制作してくれた各アーチストの皆様、それらを支えてくれたボランティア、こえび隊の皆様、地域・島民の皆様、芸術祭実行委員会はじめ関係諸団体の皆様のおかげで、貴重な「気づきの体験」をすることができ、深く感謝いたします。有難うございました。
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「漂流郵便局」への ハガキ
【宛先住所】
〒769-1108 香川県三豊市詫間町粟島1317-2
        漂流郵便局留
【宛先氏名】
「瀬戸内国際芸術祭2010、2013、2016、2019、2022、2025、2028、2031、2034、2037、2040、2043、2046、2049~ に関わる各アーチストの皆様、それらを支えるボランティア、こえび隊の皆様、地域 島民の皆様、芸術祭実行委員会、関係諸団体の皆様へ」
【本文】
3年毎の瀬戸内国際芸術祭で、そのたびごとに、またあらたな「瀬戸内」の素晴らしさに気づき、再認識できて、感動の体験をすることができました。皆々様のおかげです。深く感謝いたします。ありがとうございました。
【差出人】 高岸雄三
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(注)
■『漂流郵便局 届け先のわからない手紙、預かります』久保田沙耶 著 小学館 2015年2月初版 
■『漂流郵便局』とは、届け先のわからない手紙を預かり、「漂流郵便局留め」という形で いつだれかに届くまで漂流私書箱に手紙を漂わせておく郵便局です。
■「漂流郵便局」〒769-1108 香川県三豊市詫間町粟島1317-2 漂流郵便局留
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