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建築士会コラム

役員リレーコラム「古い車と古い住宅」中讃支部 理事 堤 一仁

普段平成13年式の車に乗っています。会社の車はもっと古くて平成11年です。それくらい古い車となると、カーステはカセットテープだし、ナビは古くて最近の道は空白だし、なんかへんなとこが時々壊れるしなんですが、特に大きな故障でもないので修理しながらけっこう快適に乗れています。車の場合一台を長く乗って乗りつぶすより、短めの期間で乗り換えたほうが結局得だともいわれますが、自分では買い替えはめんどくさいし、なんかもったいない気がするし、環境にもなんかいいような気がするしで一台を長く乗る派なんですが・・・
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この5月から車齢13年を超える車の自動車税が概ね15%割り増しとなりました。重課の理由として「新車登録から一定年数を経過し、環境負荷の大きい自動車に対しては、自動車税および自動車重量税を重くする」だそうです。ものを長く使うことが否定されている気がしましたが、そう感じた人は私だけではないようで、当時の新聞雑誌で「もったいない精神はどこに行った」「ほかの国では長く乗ると税金は安くなるものなのに」「新車を売りたい自動車メーカーの陰謀だ」と言った記事を見た記憶があります。私も「一台の車を長く乗る人ばかりだと新車が売れなくて景気が良くならない」と面と向かって主張されればそれはまあそうかともなるのですが、環境に良くないから税金を増やすといわれると、なにか違う気がするなあと思います。

当時こういった車を買う側としての意見はよく見ました。では対象になる車を作った自動車の設計者たちはどう思っているのでしょうか。今年はフォルクスワーゲンによるディーゼルエンジン排ガス検査不正プログラム事件もあり、ドイツのメーカーがそれをするのかと正直驚きました。またその対象の車はアメリカでは回収されるそうですが、そういう構造的な問題によるものとは根本的に違い、単に製造から経た年数によって環境性能が劣るといって一律に増税するということを、もし私がその自動車の設計者なら過去に自分の作ったものを全否定された気がして悲しく感じたと思います。今の時代、一つのものを大事に直しながら使うということは間違っているのでしょうか?

建築士会のコラムだからと言って無理に建築に結び付けるつもりも無いのですが、住宅建築の分野では近年、国が既存住宅市場の活性化に向けた目標を「少子高齢化が進行して住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家の増加も生ずる中、いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う社会に移行することが重要であり、政府としても既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進めていきます。」と打ち出し、住宅の寿命を延ばす方向で動き出しています。国が建築の分野では、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う社会に移行する。」を目標としているのに、自動車の分野では「古い車は増税して買い替えを促す。」方向で動いているのは矛盾を感じてなりません。

自分で一生懸命作ったものは人に大事に長く使ってほしいものだと思います。少なくとも私は自分の設計した住宅を大事に長く使ってくれるとうれしいですから、車を設計した人も喜んでくれると思って今の車を大事に乗ろうかと思います。

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