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建築士会コラム

役員リレーコラム「趣味のこと」女性委員会副委員長 藤本たみ

趣味には自己表現の側面と自己満足の側面がありますが、自己表現側は実績を重視され、何年取り組んだか、本が書けるほどの知識量を求められます。考えすぎかもしれませんが、最近の「趣味は何ですか?」という質問の趣味とは「セミプロと言えるくらいストイックに取り組んでいる仕事以外のこと」を聞かれているようで、そのハードルの高さに閉口してしまいます。問い詰められると困るので、質問には趣味はありませんと避けてしまいますが、世間には趣味難民という言葉があるくらいなので、同じく実績の伴わない趣味を持つ方も少なくないのではないでしょうか。陶芸、ヨガ、着付け、女性は必ず通る道のようです。多分に漏れず、一通り経験済みです。

病的な飽き性で一つを突き詰めることができず、その時の興味の赴くままに首を突っ込む完全自己満足型のわたしは自分を表現する術がありませんが、比較的好んでいるハレの日の過ごし方を紹介します。

旅行と美術館が好きで、旅行に出るときは必ずその地域にある美術館を訪れます。単純に非日常的な時間の経過、雰囲気に身を置くことで「ケ」をしめるケジメの行為として好んでいます。

今わたしの興味の対象になっているのは藤田嗣治氏です。学生時代に描いている自画像は好青年ですが、パリに渡ってからの写真を見ると、コメディアンでもしてたのかと疑う姿をしています。実際、「本当の孤独は人間を駄目にする」と道化のような振る舞いをして自分の居場所を築いてきたようで、フランスでは高い評価をうけた画家です。

自己の仕事に懸命に励めばそれが国の為になるという思想を持っているにも関わらず、その当時の日本では評価されず、後に帰化してフランス人となりましたが、「どこまでも日本人として完成すべく努力したい」「私は世界に日本人として生きたいと願う」と残し、日本人であることを強く意識しています。5回もした結婚、フランスでの交友関係、世界大戦という時代背景の中でまっとうした画家という職業、画家の人生背景を知ってから見る絵はまた違った印象を持ちます。描かれる人物画の線の繊細さや柔らかさからくる印象では傷つきやすく繊細な人柄が伺えます。その姿や振る舞いから誤解された人物像で伝えられていることが多かったようですが、よく酒場で騒いでいたが実は下戸であり、仕事はきっちり終えてから酒場に繰り出していたのだそうです。絵の制作にはまじめに取り組んでおり、キャンバスを自作する拘りにより「乳白色の肌」を生み出します。両極端な真面目さと不真面目さが同居している人物像にも興味をそそります。無理して真面目に不真面目を振る舞っているようで、寂しさを感じてしまいます。

今年は没後50年ということで、東京都美術館で大規模な回顧展が開かれます。8月までにもう少し、藤田嗣治という人物について造詣を深めてみようと思います。美術館巡りの実績が増え、堂々と趣味と言える日も来るでしょうか。

今回、仕事で関わった美容師さんが自身の店の内装をDIYするのですが「藤田嗣治の世界を表現したい」という話からこの画家に興味を持ちました。誰かの感性を通して表現されるものが、どんな世界になるのかもまた楽しみです。

非常に無知なわたしは、ありがたいことに仕事や建築士会の活動で多くの方に出会い、刺激を受ける日々を送っています。日常生活で出会うものに興味を持ち、めぐりあわせを楽しんでのらりくらりと暮らしていくのもよいものです。

最後に、画家の残したこんな言葉も紹介します。「四十はまだ青年だ。私の前途もこれからだ」(地を泳ぐ)

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