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役員リレーコラム「ベーハ小屋の讃岐」西讃支部 理事 菅 徹夫

「ベーハ小屋」という言葉を聞き慣れない方も多いと思います。ベーハ小屋とは漢字で書くと「米葉小屋」、アメリカ原産の煙草の葉を乾燥する小屋のことです。讃岐ではこの小屋を乾燥場とかカンソバと呼ばれることが多かったようです。ベーハ小屋という言葉が、はじめて世に出たと思われるのは写真家 北田英治氏が2005年10月に開催した写真展です。この写真展では栃木県益子のものがいくつか紹介されていますが、彼が益子で話をした農家のおばあちゃんがしきりに「ベーハ小屋」という呼称を使っていたのが始まりのようです。
 
そんなことも知らずに、2008年4月に大野原町でたまたま見つけた乾燥小屋を私のブログで紹介したところ、建築家の秋山東一氏から「これはベーハ小屋というものである」というコメントをいただいたのです。煙草の乾燥小屋の存在は、もっとずいぶん以前から知っておりましたが、当時ベーハ小屋の意味も知らなかった私は、この謎めいた呼称にも煽られて車の走行中にベーハ小屋探しをはじめることになったのです。すると、思っていた以上に「ベーハ小屋」が次から次へと見つかりはじめたのです。おもしろがって「ベーハ小屋研究会」なる団体を立ち上げ、メンバーで香川のベーハ小屋の捜索をはじめました。2~3年の間に県内で400以上(うち小豆島100棟以上)の小屋を見つけ出しました。これらを写真に納めWEB上に紹介していると全国に興味を持ってくれる人たちが現れ、今やベーハ小屋研究会のメンバーはWFB上で142名にも増えました。
 
ベーハ小屋は南は沖縄から北は岩手県まで全国に広く分布しています。研究会には様々な写真や情報が寄せられます。メンバーにはJTの広報を担当している方もおられ、そのメンバーによると当時全国で最もベーハ小屋が多く建てられたのは茨城県で約13,000棟、第二位が香川県で12,000棟ほどだったそうです。茨城県の面積は香川県の3倍以上ありますから、ため池と同様ベーハ小屋密度は香川県がずば抜けて日本一だったということになります。東京近郊の茨城県などとは違い、開発がさほど進んでいない香川は、今でも数多くのベーハ小屋が現存しており、その数はおそらく日本で最も多いと考えられます。
 
全国各地に今も散在しているベーハ小屋ですが、それぞれの地域でプロポーションや建築材料、構法も少しずつ異なっており興味深いものがあります。讃岐のものは日本瓦と黄土色の土壁に象徴され、小屋がため池やおむすび山とともに地域の風景をつくっています。讃岐らしい農村の原風景の一つの要素になっていると思います。雨風で崩れたり、解体されたりしてどんどんその数が減っていくベーハ小屋ですが地域の産業遺産としてどこかに保存すべきなのではないかと最近思い始めています。

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まんのう町黒川駅近く。
二つ並んだべーハ小屋を「夫婦窯(めおとがま)」と呼ぶ。


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