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役員リレーコラム「最近思うこと」女性委員長 都留悠菜

最近、コロナウイルス感染拡大による社会情勢や外出自粛のせいか、もともとの性格のせいかネガティブに考えることが多い。できればポジティブな思考でありたいと思っているが、なかなかそうもいかない。

ポジティブモンスターという言葉をご存じだろうか。
私が最初に耳にしたのは何年か前に大流行したドラマだった。そのドラマの中にポジティブモンスターというあだ名を付けられた登場人物がいた。ポジティブモンスターとは、全てを自分の都合が良いように解釈し落ち込まない人のことだそうだ。最近ネットニュースで見かけ、前職でお世話になった先輩との出来事を思い出した。

ある日のこと、スタッフルームに入ってきた先輩が「またやってしまった・・・」と言うので視線をやると、先輩のトートバッグの底が茶色く濡れていた。トートバッグに入れていたノートや財布、大事な書類までカフェオレまみれになっていた。先輩はカフェオレが好きでよく飲んでいた。スーパーやコンビニで売っているストローを挿して飲むタイプのものだ。手が滑って落としてしまったのか、もしくは穴が開いてしまったのか、何かしらの不慮の事故かと思っていると事故ではなかった。ストローを挿して一口飲んだカフェオレをトートバッグの中に入れていたのだ。犯人は先輩だった。

バッグの中は荷物が一杯に入っているわけでも底が固いわけでもなく、カフェオレを固定できるような状態ではなかった。そんな不安定な所にストローを挿して一口飲んだカフェオレを入れたのだ。

しかも今回が初めてではなかった。何度も同じようにトートバックの中にカフェオレをぶちまけている。私には何かの呪いにでもかかっているように見えた。先輩は慣れた手つきでノートや財布、大事な書類を拭いていた。

なぜ一度だけでなく何度も同じことをしてしまうのだろうか。学習能力はないのだろうか。先輩には失礼だが「この人はあほなのか・・・いいや違う。おっちょこちょいなだけだ。」と私は自分に言い聞かせながら後片付けを手伝った。

ふとある仮説がよぎった。もしかすると先輩はカフェオレチャレンジなるものをしているのかもしれない。ストローを挿して一口飲んだカフェオレと大事なものを、中身がスカスカで底が不安定なトートバッグに入れて、その日一日濡らさなければ願いが叶うというようなチャレンジをしているのかもしれない。

すると、「あー!書類がカフェオレまみれになって最悪だけど、その分良いことあるわー!あとは良いことだけ!良かったー!」と先輩が笑顔で言った。

私の仮説は外れた。理解不能で目が点になった。

「人生楽ありゃ苦もあるさ」という歌もあるが、今の状況はちょっと違う。いいや大きく違う。先輩は自ら悪い出来事を作ったにも関わらず、このあと良いことが起こると信じている。「やはり先輩はあほ・・・いいやポジティブだ!ポジティブすぎるだけだ!」と私は自分に言い聞かせた。その頃はポジティブモンスターという言葉を知らなかった。過去に戻れるならあの時の私に教えてあげたい。

人は未知なものに出会うと分からない怖さからモンスターと感じるのだと思う。私にとって先輩はまさに理解不能なモンスターだった。先輩をバカにしているように思われるかもしれないが、私は先輩が大好きだし尊敬している。仕事だけの関係でなく休みの日も遊んでもらった。周りの人だけでなく自分も大切にするということを教えてもらった。私にはない考えを持っている先輩から本当にたくさんの事を学ばせてもらった。

今でもポジティブと聞くと先輩を思い出す。どうしてもネガティブなことしか考えられないとき、先輩だったらどう考えるのだろうと思うときもある。

コロナ禍の中で日々当たり前だったことが当たり前ではなくなった。今は普通なことがコロナ終息後には普通ではなくなっているかもしれない。先が見えないことに不安を感じ、ネガティブになることもあるが、今を大事に、物事を少しでもポジティブに考えられたらと思う。

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