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建築士会コラム

役員リレーコラム「名僧空海から見えた工務店で働く心得及び建設業界」西讃支部青年部会長 田中 竜介

現在の香川県善通寺市で生まれたと言われる空海。香川県民であれば学生の頃から彼の功績を学んできたのではないでしょうか。そこで今回は、地元工務店で働く私に必要な姿勢及び今後の建設業界についての2点について、空海の生涯から学んだ事を述べていこうと思います。大人になった今、改めて彼の教えや行動を学び直すと新たに見えてくるものがありました。

小さな地元工務店で働く私が空海から学んだ仕事の対する姿勢

空海と聞くと真言宗の布教や書の達人などが思い浮かびませんか。それ以外にも彼は、唐への留学、修行、工事の指導・監督、寺院・学校の建立、書物の執筆…等、多岐に渡る功績があるのです。一見、様々なジャンルに見えますが、実は全てがたった1つのテーマに繋がっているのです。それは「人々を救う」こと。以上より、地元工務店で働く私にとって必要な3つの心構えが見えてきました。

まず1つ目は、仕事に対するテーマを明確にすること。なぜなら私が働く工務店では、社員数が少ないことから一人の人間に幅広い能力が求められます。現場ではフィジカル、事務所ではインスピレーションなど極端に違ったスキルが必要とされるわけです。そんな毎日を過ごしていると、ふと自分のしていることに不安を覚えてしまうことがあります。そんな迷いを持たないためにも、空海でいう「人々を救う」にあたる、私が仕事をする上でのテーマを明確に設定すべきだと気がつきました。

そして2つ目に、自分の能力を限定しないこと。私たちは、文系・理系など自分の得意分野や専門分野を絞りがちではありませんか。前述の通りマルチスキルが求められる私は特に、専門外だから…などと門前払いせず、何事にも興味関心を持ち続け、自らの能力を常に探していく事が大切だと思いました。それが新たな得意分野を見つけるきっかけとなり、一段上のパフォーマンスや結果に繋がるのだと思います。

最後に、心と体と知識、全てをバランスよく保つこと。もし空海に、体力が伴わなかったら知識や経験、行動力があっても修行に出ることはできなかったし、逆もまた然り。「健康管理は仕事のうち」とよく言われますが、身につけた知識や技術を最大限に発揮できないと考えると、その言葉の重みを改めて実感しました。

建設業界で働く私が空海から学んだ建設業界の活性化

空海は学んだことを多くの書に残しました。その中にこんな言葉があります。

意味:何事も興廃は必ず人の手、心の持ち方などの影響がある。そして向上するのも堕落するのも、その人の信ずる道によるのである。

昨今の建設業界は人気がない職業と言われているのは周知の事実です。それを挽回するのか、さらに低迷させてしまうのかは、現在業界に携わる我々が担っているのだと、この空海の言葉から気づかされました。

毎年ある時期になると、小学生がなりたい職業ランキングが発表されます。そこで近年注目を浴びるのがYoutuber。ではなぜYoutuberが人気を集めるのか。それは大人が楽しそうに活動している、スマホを開けばいつでも出会える身近な存在である、好きなことを仕事にしている、この3つがポイントだと考えました。

現在、小学生に建築関連の仕事を知ってもらう入り口としては、図工の時間を活用したり、ハウスメーカー等がイベントでタイルアートを開催することなどが思い当たります。しかし、どれも単発的ではないですか。そこでCADの使い方や自宅の白模型作成といった建設業に関わることを一貫して学べる、小学生向けの継続的なアーキテクチャー&デザイン講座といった習い事があれば面白いと思いました。

今、新たな習い事としてプログラミングを学ぶ小学生が増加しております。このように流行すれば、老若男女問わず興味を持ってもらうことができるのではないでしょうか。講師が毎回楽しそうに講座を開催し、毎週講師と出会え、建築に触れることができる。すると建築を好きになる確率が上がり、学んだことは仕事にも直結できる。先ほどのYoutuberが人気職業となる3つのポイントにも少なからず当てはまる部分はあるような気がします。

最後になりましたが、空海は和歌山県にあります高野山奥の院で現在も人々を救うため、瞑想していると言われています。きっと私たちのあらゆる悩みにヒントをくれるはずです。気軽に旅行ができるようになったらぜひ、空海の元を訪れてみたいものです。


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