創立70周年記念式典・祝賀会と講演会に出席して(副会長:後藤哲夫)
令和4年9月14日、JRホテルクレメント高松にて、香川県建築士会の創立70周年記念式典・祝賀会と講演会が開催されました。講演会、そして記念式典・祝賀会の2部構成でしたが、どちらも約130名の方々にご出席いただきました。改めて、「香川県建築士会が大勢の方々に支えられて活動できている」、と実感しました。
第1部の記念講演は、屋島山頂交流拠点施設の【やしまーる】を設計監理された建築家・周防貴之氏にご登壇いただきました。講演は、[提案段階]、[設計段階]、[施工段階]の3段階に分けて具体的なお話を聞くことが出来ました。[提案段階]のお話しで印象に残ったことは、曲線で繋がった建物の形状は敷地の持つ特徴そのものが現れてくるような建築を目指した結果であることと、屋島山頂エリアの変遷を1940年代から2000年代までリサーチし、現在は建物が減り山頂が山の一部へと戻っていく時代と読み解いたところです。[設計段階]では、クライアント(高松市関係者の方々)との協働が公共工事のプロセスでこれまでに経験したことがないくらい前向きなものであったということが印象に残りました。そして[施工段階]では、工事を通じて未知なる建築を竣工させた施工者に対する感謝の念が、周防氏のお話からひしひしと伝わりました。最後質疑応答の時、私から「建築家として設計した建物を実現させるために、クライアントから工事金額を出してもらえるように交渉することはとても大切な能力だと思っています。」という前置きの後、「私もプロポーザルに参加したものとして、募集要項には、整備事業費は6億円を上限とする、と書かれていましたが、実際には倍近い事業費がかかっていますよね。募集要項の予算をオーバーする提案をしたことについて、建築家としてどのようにお考えですか?」と投げかけましたが、私の納得できる回答を得ることは出来ませんでした。
第2部の記念式典・祝賀会は、藤岡会長の式辞から始まり、功労者表彰、そして9月に新しく香川県知事になられた池田豊人さまと、県議会議長・高城宗幸さまから祝辞をいただきました。藤岡会長の式辞で印象に残ったことは、「創立時250名からスタートしピーク時は2600名余りいた会員が、10年前の60周年では1570名、現在は1350名という厳しい状況にある、という一方で、災害時における避難所等の安全確認の実施を目的とした協定書を、今年1月27日に県下ではじめて三木町と交わすなど、社会に奉仕でき、信頼されてきた香川県建築士会をこれからも発展させてゆきたい。」とお話されたことです。
コロナ禍のなか、創立70周年にふさわしい記念式典・祝賀会と講演会を実施することが出来たことは、会員と賛助会員そして建築士会に関わる方々の協力に拠るところが大きいと感謝しています。そして、香川県建築士会が80年100年と続くためには、魅力ある団体であり続けることが大切だと感じました。みなさま、今後ともご協力いただけますようお願い申し上げます。(副会長 後藤哲夫)
藤岡会長挨拶
池田知事様より祝辞を頂きました。
高城県議会議長様より祝辞を頂きました。
谷久環境建設委員長様より乾杯のご発声を頂きました。