第69回建築士会全国大会「かがわ大会」テーマ決定
第69回建築士会全国大会「かがわ大会」テーマ決定
かがわ大会実行委員長 藤岡 旭
9月9日に開催しました第4回理事会において、第69回建築士会全国大会「かがわ大会」のテーマを決定しました。
「 歴史と未来をつなぐ建築のかけ橋 日本一小さい県から」
「かがわ大会」の開催日は令和9年10月29日(金)の予定です。会員の皆さんと一緒に、思い出に残る大会を作り上げていきたいと思います。ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
大会テーマの根幹は「瀬戸内海建築憲章」です。経緯と共にお読みください。
——————————
瀬戸内海建築憲章
瀬戸内海の環境を守り
瀬戸内海を構成する地域での
環境と人間とのかかわりを理解し
媒介としての建築を大切にする。
人間を大切にすることから
建築を生み出し創り出すことを始める。
それには瀬戸内海の自然と環境を大切にし
そこから建築を生み出すことにある。
環境と建築とが遊離し
建築が独り歩きすることはない。
先人たちのつくった文明を見定めこれを理解し
将来への飛躍のための基盤とし足がかりとする。
過去及び現代において
瀬戸内海が日本人のための文化の母体であったことを知るとともに
それが世界に開けた門戸でもあったことを確認する。
すなわちわれわれは
この地域での文明を守り
それを打ち出していくことと併せて
広く世界へ目を開き
建築を通じて人類に貢献する。
——————————
「瀬戸内海建築憲章」は1979年9月に山本忠司が起草し、同月末に高松の風土料理店で、上野時生、神代雄一郎、松村正垣、浦辺鎮太郎らに共有、賛同された。神代の記録によれば、前掲全氏の前で憲章を読み上げたのは上野時生であり、その後「一同異議なく、賛同、拍手、酒盃をあげた」という。
憲章の全文とこの時の会話は、翌年の『風声 京洛便り』第9号(風声同人企画、宮内嘉久編集事務所編、岡澤発行、1980年2月)に、浦辺鎮太郎・松村正恒・山本忠司の鼎談「頑戸内を語る:瀬戸内海建築憲章を機に」として紹介された。
山本忠司(1923~98)
戦後香川県に建築技師とて入庁し、香川県庁舎の工事で丹下健三の仕事を学びながら、地元の文化や伝統にも目覚め、地域主義的な建築を目指す。1973年に瀬戸内海歴史民俗資料館を完成させ、これにより日本建築学会賞を受賞した。