高松支部青年部会では1月7～9日に県外研修旅行として山口県に行ってきました。

初日は、下関市にある蛍遊苑、長府製作所記念館を見学しました。建物は木造平屋・瓦葺切妻屋根で日本庭園の廻りを雁行するような配置計画となっており、建物ボリュームを大きく見せない工夫が随所に見られ、「城下町長府」の景観に沿うように配慮されています。多目的ホール、展示室の大空間では特徴的な木質架構を見ることができました。一般的に大空間を構成するには大断面の木材が必要ですが、アーチ構造として樹状に開き、力を分散させることで4寸幅の材の利用を可能にしています。小断面の梁が織りなすことで大空間に繊細な印象を与えていました。

 
（蛍遊苑）

2日目は、午前中に宇部市内の建築をいくつか見学してまわりました。なかでも印象に残っているのは、宇部市渡辺翁記念会館です。当日は、成人式が開催されており、内部を見学することはできませんでしたが、外観正面は曲率を変えた三つの壁面によりダイナミックに構成されていて、向陽が照らす建物前の広場にて着飾った新成人の背景に記念会館が美しく輝いていました。

午後からは、長門市役所を見学しました。見学にあたり、設計者である長門支部青年部会山本さんと長門市役所新庁舎建設担当2名に館内を案内していただきました。普段入ることのできない地下ピットにて免震構造を詳細に解説していただいたことは貴重な経験となりました。その他にも設計時の考え方や内装素材、長門の文化・技術とのコラボレーションなど館内を回りながら丁寧に解説していただきました。その日の夕食では、山本さん設計のSWEET ASにて長門支部青年部会員の皆様と交流させていただきました。

（長門市役所）

3日目は、山口市の山口情報芸術センターYCAM、Pizzeria Ancora、岩国市の獺祭ストア本社蔵を見学し、帰路につきました。

短い時間でしたが、新年が始まってすぐに多くの名建築を見学したことで、本年の設計活動に向けて気持ち新たに精進していこうという気持ちを覚えた、とても有意義な研修旅行でした。

（高松支部青年部会　大西　慶明）