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ACTIVITY REPORT

活動報告

高松支部青年部会 庵治石見学会に参加して

高松支部青年部では、令和4年度技術講習会として10⽉5⽇に庵治⽯の歴史と採掘・加⼯場の⾒学を行いました。庵治⽯は⾵化に強く、昔から続く加⼯技術の⾼さから、全国に様々な建物や墓⽯などで活躍してきました。屋根材を庵治⽯の⽡で葺いた屋島⼭上拠点施設「やしまーる」が先日オープンし、新たな可能性が示唆されたと思っております。

今回、庵治という地質的な特徴のある地域の魅⼒を感じるとともに、素材に対する知識の向上を図ることを目的として開催いたしました。当日は、①庵治⽯開発協同組合で建築素材⾒本や丁場説明、②⼤丁場を実際に見学、③様々な工場(墓石・彫刻・灯篭・文字彫り)や蒼島ショールーム(AJI PROJECTや庵治⽯の加⼯製品)の見学、④讃岐⽯材加⼯協同組合で⽯あかりロード、「やしまーる」庵治⽯⽡製作の説明、⑤解散(※有志は⽯の⺠俗資料館の見学)、という流れでした。この内、②と④が強く印象に残ったことをレポートいたします。

まずは②のエピソードです。最も埋蔵量が高く、最高品質が取れる⼤丁場は、庵治大丁場石の会に所属する10社が共同で管理をしています。石の目や性質を深く理解した山石の匠達が、石を傷つけ無いように優しく削り出しています。しかし、どのように繊細に取り扱っても、石を削り出して変化した力の流れによって帰り際には山が鳴るようです。雄大に広がる⼤丁場では、匠達と山の対話が日々響いています。

次に④のエピソードです。「やしまーる」庵治⽯⽡製作の説明を受ける中で、設計者の熱意が石材業者の心を動かしたストーリーを聞くことができました。実際我々が石材を使用する場合を思い出してみると、設計時に石材業者と関るのは詳細図の相談と仕上方法別のカットサンプルの確認程度です。工事監理時は、施工図承諾・切り出した石材の工場検査や実際に並べて配置位置を確定及び石材の裏地補強等の検査・現場施工時の検査といった具合となります。

一方周防さんは、実際に設計中にモックアップを作って様々な素材を葺いて確かめ、素材の可能性を見出しながら工法を検討し、庵治石に決定したそうです。単純に素材を貼る事は素人でもできますし、それは庵治石でも安い壁紙でも同じ行為です。しかし建築家やプロフェッショナル等と名乗るならば、それを使って何か新しいデザインに昇華させることが必要だと改めて痛感しました。いつか庵治石を使用する日まで、腕を磨きたいと思います。

(武部 圭祐)

 

 

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