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ACTIVITY REPORT

活動報告

披雲閣大書院耐震補強工事見学会に参加して 

披雲閣大書院耐震補強工事見学会に参加して    
     
2026年1月21日に業務委員会主催の披雲閣大書院耐震補強工事見学会に参加しました。施工者の方からお聞きした耐震補強の概要をおおざっぱに書いて、Copilotに論文風にしてもらいました。便利すぎです。

[耐震補強計画の概要]
本建物に対する耐震補強は、文化財としての意匠を保持しつつ、必要な水平耐力を確保することを目的として計画された。補強方針は、既存柱による鉛直支持機能を維持しつつ、新設架構に水平力を負担させる構成を基本としている。

1. 桁行方向の補強計画
桁行方向の水平力は、西側廊下部分に新設された1スパンの鉄骨ラーメン架構により負担させる計画とした。当該架構の柱は廊下側から視認されるため、意匠上の配慮として BUILT-BOX により木材(約150×150 mm)に類似した外観を付与している。
廊下の幅内に納める必要があり、架構スパンが小さいことから、地震時の浮き上がりが懸念される。これに対し、床下に設置した鉄骨基礎梁をコンクリートで被覆し、重量体として機能させることで浮き上がり防止を図っている。なお、文化財保護および埋蔵物の観点から床下の深掘削は制限されているため、可能な範囲での対策となっている。

2. 張間方向の補強計画
張間方向の水平耐力は、西側廊下の鉄骨ラーメン架構に加え、東側廊下部分に設置した格子状ステンレス補強材(障子状意匠)により確保する。また、両者の中間に作用する地震力は、小屋裏に新設した鉄骨水平ブレースにより東西の耐震架構へ伝達させる計画とした。

3. 補強方針の背景
一般に、耐震補強は壁位置に面材や斜材を配置する方法が効率的である。しかし、本建物は壁面が少なく、かつ重要文化財であるため、外観の改変を最小限に抑える必要があった。この制約のもと、既存意匠を保持しつつ必要な耐力を確保するため、廊下部や小屋裏を活用した補強方式が採用された。

4. まとめ
披雲閣は平成24年7月に国の重要文化財に指定されている御殿で、本補強計画は文化財としての価値を損なわずに耐震性能を向上させることを目的としており、完成後は補強部材が視覚的に大きく認識されることはないと考えられる。

(業務委員 米澤 巧)

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